2017.08.28はちみつの小話
1歳未満の乳児にはちみつを与えてはいけないのはなぜ?
夏が短い軽井沢では、学校の夏休みは先週早々に終わり、夕方には早くもトンボが飛び始めています。短い夏の終わりです。
ハニープラントのお庭の巣箱に小鳥が産んだ卵がかえり、時折ひな鳥の可愛らしい鳴き声がします。
新発売のりんご蜜、発売開始から人気のアカシア蜜、引き続きたくさんの方におためしいただき、ありがとうございます♪
ハニープラントは、まだ実店舗をかまえていないのですが、軽井沢でのバカンスの道中、自宅兼はちみつ工房に直接足を運んでくださる方々も多く、数種類のはちみつをご試食いただきながら、私たちも嬉しい出会い・再会のひとときを過ごさせていただいております。
さて、会話の中で何人ものお客様から、「なぜ1歳未満の乳幼児にはちみつを与えてはいけないのですか?」とご質問をいただきました。
記憶に新しいところでは、あるレシピサイトで掲載された離乳食が原因で、赤ちゃんが亡くなってしまったニュース、とてもショッキングでしたね。
あまり難しい用語を使ってもわかりにくいですから、きちんとご理解いただくため、私たちなりに調べたことについて、ポイントを記します。
● 普通大人は、腸内の常在細菌によって芽胞が増殖できません。
● しかし、乳児の場合はまだ消化器官が未熟で、腸管内で菌が発芽・増殖し、毒素が産生されてしまうため、「乳児ボツリヌス症」を発症する可能 性があります。
● ほとんどの症例は生後6ヶ月未満の乳児で発症しています。
● ただし、生後2週目以前の乳児についての感染報告例は少なく、母乳に含まれる成分が菌の定着・増殖を抑制していると言われています。
● 授乳中のお母さんがはちみつを食べたことによる乳児ボツリヌス症の実例はないそうです。
● 日本国内の乳児ボツリヌス症発症例は、20例に満たないとのことです。
● 症状: 中枢神経系が冒され、ほとんどのケースは便秘状態が数日続いた後、弛緩性の麻痺、呼吸麻痺など
厚生労働省が1987年に都道府県に乳児ボツリヌス症を防ぐための通知を行ったことを受け、日本国内のはちみつ生産・販売業者は、注意文の記載を徹底を求められており、ハニープラントも、商品やパンフレット、公式サイトなどで注意文を掲載しています。
人のからだを作る食品に関わるお仕事をするようになって日々実感するのは、「ちゃんと注意文を掲載しているから問題ない」という態度は、生産者・販売者のエゴに過ぎない、ということです。自然からの贈り物の国産生はちみつを扱うと決めた以上、安心・安全で美味しくからだに良いものをお届けできるよう心がけることはもちろん、お客様の視点にたって、少しずつでも正しい情報をお伝えしてゆけるように日々勉強してゆきたいと考えています。
これからも、何かはちみつについてお知りになりたいこと、不安なこと等ありましたら、いつでもご遠慮なくお問い合わせいただけますと幸いです。